積み上げられた謎の小石(アリの生態 その①)
わが家の玄関前に積み上げられた謎の小石。
何かの儀式??
実は、おとついの夜、ここで、あおむしが力尽きていたんです。
そのあと、よく見かける小さいアリたちがやってきて、あおむしを取り囲んでいました。
昨日は、あおむしのまわりに、ぐるりと小石を並べているのを見ました。
小石は、おそらく1mほど離れたところにある花壇から持ってきたようです。
そして、今日が写真の状態。
あおむしは居なくなって、小石だけ。
あおむしが居た中央部分にも小石が置いてあります。
ここに、あおむし居たよね?あおむしの代わりに石だけが置いてある~!なんでやろう??
おとうと 「アリが埋葬してあげたんじゃない?」
おー、そうかも!
お兄ちゃん「自分だったら、食べたあとの肉とか魚とか、わざわざ埋葬するかな?」
確かに。わざわざ埋葬なんてしないよね。
お兄ちゃん「あ、そうだ!オオカミって自分のエサにマーキングでオシッコかけるんだよ。これが自分たちのエサだってアピールしてるとか?」
ほほう。
図書館へ出向いて、アリに関する本や図鑑を何冊か読んでみました。
- アリはハチと同じく社会性昆虫と言われている。
- 女王アリのもとで集団をつくって、与えられた役割を果たし、助け合ってくらしている。
- エサを見つけたら、フェロモンや触覚を使ってコミュニケーションを行い(種類によって、いろいろなコミュニケーション方法があるそう)、協力して巣にエサを運ぶ。
- 道に迷わないのは、フェロモンを使っていたり、太陽の光が来る方向から計算したり(ひかりのコンパス)、脚の筋肉が場所を覚えていたりするためである(これも種類による)。
ということが分かったのですが、「エサのまわりに小石を置く習性がある」という記述は見当たりません。
別の図書館に行ってみたら、ぴったりの本がありました。
「わたしの研究 アリに知恵はあるか?」
石井象二郎 偕成社
この本の中で、著者はトビイロシワアリに注目して、いくつか実験をしています。
トビイロシワアリという名前は、初めて聞いたのですが、本に載っていた写真を見て、わが家の玄関前に居たアリと同じだとわかりました。
本の中に、キャラメルを巣の近くに置いたらどうなるか9日間かけて観察した記録がありました。
キャラメルを巣の近くに置く
アリが集まり、キャラメルをかじって巣に運ぶ
一部のアリが砂を運び、キャラメルの上に置く
たくさんのアリが砂や枯れた小さい草の葉をキャラメルの周りに置く
キャラメルを砂や枯れ葉で囲む
キャラメル全部が砂などで覆われる
砂の下のキャラメルは完全になくなる
積み上げられた砂、枯れた草などの後片付けはしない
<結論>
一匹では巣に運ぶことができないような大きな獲物があった場合、放っておくと、ほかの集団のアリが来て、獲物を横取りしてしまうかもしれません。
トビイロシワアリは、獲物があることを巣の仲間たちに知らせ、仲間たちが力をあわせて砂などを運び、獲物を覆い隠したのです。
そして、手分けして、ゆっくり少しずつかじって、巣に運んでしまったのです。
なるほど~!そういうことだったのか!!
お兄ちゃん「まじで、アリって賢いんだね!」
「後片付けはしない」っていうのに、思わず笑ってしまいました。
謎がとけて、とってもスッキリしました~♪