スイスイ進むつまようじのサイエンス(表面張力)
今日はお風呂で手品するよ~っ!!
つまようじのおしり(尖っていない方)にシャンプーをつけて、お風呂に浮かべたらどうなるやろう??
やってみて!
お兄ちゃん「あ、お風呂のお湯が動いてないのに、つまようじが勝手に進んだ」
せやねん!なんでやと思う?
おとうと 「シャンプーがお湯に溶け出すときに水流が起こって、つまようじが前に押されたんだと思う」
お兄ちゃん「シャンプーが燃料の役割をしてて、つまようじを進ませてる感じ」
おー、すごいこと考えたやん!そうかもしれへん!
ではでは、種明かしするね~
水(お湯)とシャンプーの性質がカギになるよ。
<水の表面張力>
液体の表面には、引っぱりあう力がはたらいています。
その力のことを表面張力といいます。
水は、とくに表面張力が強くて、できるだけ表面の面積を小さくしようとする性質があります。同じ体積で、表面積がいちばん小さいのは球体です。なので、水滴はいつも丸くなろうとします。
また、コップに入れた水がもりあがったりするのも、表面張力のはたらきです。
表面張力は、どんな時でもはたらいています。
<シャンプーの成分、界面活性剤>
シャンプーには界面活性剤という成分が含まれています。
これは、汚れをつつみこんで落とす役割のほか、表面張力を弱める役割があります。
今回の手品について考えてみます。
つまようじのシャンプーを塗った側では、シャンプーが溶けだして界面活性剤の力により水の表面張力が弱まります。
それで、つまようじの尖っている側の水の表面張力によって、引っぱられる形になります。だから、水流もないのに、つまようじが進みだしたというわけです。
もし、つなひきにたとえたら、両方から引っぱって拮抗しているときに、シャンプー側の人が手を離したので、反対側の人がどーんと後ろにのけぞったような感じですかね。
きょうの手品どうやった??
兄弟 「おもしろかった~」
おもしろくって、なによりです。
表面張力については、いろいろなところでそのはたらきが見られるので、これから何回かに分けて深掘りしていきたいと思います。