植えた覚えのないトマトが花壇に生えていて、実までつけていた
わが家の小さな花壇には、世話のいらないハーブしか植えていません。
水やりもほとんどしない。見るのも時々。ほったらかし花壇。
ひさしぶりに花壇を見ると、植えた覚えのないトマトが生えていて、実までつけていたのです。
このトマトは、一体どこから来たんだろう?
・・・あ!!
以前、アリの観察をしたときのトマトだ!!!
おとうとが、夏休み前に小学校から持ち帰ってきたトマトの鉢があって。
その鉢から落ちた実をアリが食べているところを観察しました。
jiyu-kenkyu-kazoku.hatenablog.com
その後、アリたちの食べ残したトマトの皮と種を、花壇にポイっと投げていたのを思い出しました。
それが4カ月くらい経って、また成長していたんです!
兄弟 「え??あのときのトマトなの????」(笑)
トマトについて、知りたくなり、田淵俊人著「まるごとわかるトマト」誠文堂新光社を読んでみました。
この本には、トマトの基礎知識・栽培・歴史・世界各地での食べ方など、とてもくわしく書かれています。
トマトの生育適温は22~25℃といわれ、栽培適温は昼温23~25℃、夜温15~18℃といわれているそうです。
原産地のアンデス山地では、今でも野生種のトマトが自生しているとのこと。
8月半ばに、花壇にポイっと投げたトマトが、温度と降雨量が適度で、自らの力で育ってくれたようです。
すごい生命力!!
このトマトが赤くなって食べる日を楽しみに、これからは、もう少し花壇のお世話をしようと思います(苦笑)。
本のなかで、とても興味深いことが書かれていたのでご紹介します。
有毒な「ホルムアルデヒド」を無毒化するトマト
「ホルムアルデヒド」はあらゆる日常製品から発生する揮発性の有機化合物の1つで、ダイオキシンの100倍以上も毒性があるといわれている。
密閉した室内で過ごすことが多い現代社会では、長時間ホルムアルデヒドにさらされることも多く、人体に頭痛、吐き気、眩暈などの症状を起こす「シックハウス症候群(シックビル症候群)」の原因物質ともなる。
この症候群は世界的に大きな問題であり、世界保健機関WHOでも室内濃度が0.08ppm以下になるように定めており、日本の厚生労働省でもこの基準値以下になるよう推奨している。
しかし、近年、野生種トマトの一部の系統に、ホルムアルデヒドを吸収代謝し無毒化するものがあることが明らかになった。
この野生種トマトは有毒なホルムアルデヒドを、葉の気孔から取り込み、葉肉組織の柵状・海綿状組織に存在するグルタチオンと結合する。その後、葉の内部で様々な酵素触媒作用を受け、最終的に「無毒な二酸化炭素」として排出する。
このトマトは、卓上に置くだけで有毒な空気が浄化されるため、オフィスや生活空間の他、閉鎖的な植物工場などでの利用が期待できる。
今後、この系統を育種素材としてさらに付加価値のあるトマトの育成や遺伝子解析にも利用が可能である。日本人の食卓には身近な野菜「トマト」だが、野菜としての栄養価や料理以外にも、私たちにとってかけがえのない役割を果たしている。(玉川大学大学院農学研究科博士課程 小林孝至筆)
この研究がすすんで、ホルムアルデヒドによる害悪が改善することを切に願います。研究者のみなさま、ありがとうございます。
そして、このような研究がおこなわれていることを知ることができ、調べるきっかけをくれたわが家のトマトに感謝!!